ガリバーは日本にも来ていた

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子どもの頃に誰もが一度は読んだことのある絵本のひとつに「ガリバー旅行記」があると思います。

 

船旅をしていたガリバーは、嵐で船が沈没し小人の国に漂着します。当初、大きなガリバーを恐れた小人たちは、ガリバーを綱で縛り地面に固定しますが、やがてガリバーが悪人でないことを知ると綱を解き仲良く暮らし始めます。ガリバーは城の火事を消したり、攻めてきた敵国の船を全部陸地へ引っ張り上げたりして大活躍。やがて小人が作ってくれた船に乗って無事に自分の国へ帰るという、ざっくり言うとそんな物語でした。

 

ガリバーが縛られたまま小さな食べ物を口に入れられたりする不思議なシーンに、子ども心にワクワクしたものです。…と絵本ではここまでですが、実はこの後も物語が続いているってご存知ですか?

 

ガリバーは巨人の国へ行き、その次は空飛ぶ島(ラピュタと言います)や亡霊の国、不死人間の国を訪れ、なんと日本にも来ているのです。

 

不死人間の国と通商している日本を経由して本国イギリスへ帰ろうとし、江戸へ上陸。皇帝(徳川将軍ですね)に拝謁したり、踏み絵を嫌がったり、なんやかんやありながら、自分をオランダ人だと偽ってアムステルダム行きの船に乗りイギリスへ帰国します。

 

この日本のくだりを書くにあたり、著者のスウィフトは相当詳しく日本を調べたと思われます。ガリバー旅行記が出版されたのは1726年で、日本では8代将軍吉宗の頃。当然日本は鎖国ですから、通商のある国を経由して入国・出国したり、踏み絵があったりとかなり史実に基づいて紹介されています。

 

他はみんな架空の国なのに、なぜ日本だけ実在の国を登場させたのでしょう?14世紀にマルコポーロの東方見聞録で黄金の国ジパングと紹介された不思議な国であり、18世紀には陶器や着物、茶の湯などを通して日本が紹介されていたらしく、実在の文明国でありながら異質な国ということで、スウィフトは興味を持ったのかもしれません。

 

その後ガリバーは馬の国へ行き理想郷として永住を決意しますが、住人たちに拒否られ帰国。すっかり人間嫌いになり、その後は家族とも離れ、馬たちと暮らすというエンディング。この物語には、イギリス社会や当時の文明に対する通説な批判が込められていると言われています。

 

読書の秋、子どもの頃に読んだ物語のその先を大人になってから読むと、まったく違う世界が広がっているようです。

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  • 2018.10.31 Wednesday

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